新型コロナウイルスの影響や働き方改革の推進により、多くの企業でリモートワーク(テレワーク)が導入されています。
オフィスに出勤せず、自宅やカフェなどから働けるリモートワークは、一見メリットが多いように感じられますが、実際にはデメリットも存在します。
本記事では、リモートワークのメリット・デメリット、導入している業種、おすすめな人、必要なものなどを詳しく解説していきます。
リモートワークを検討している方や、これから始める皆さんに役立つ情報が満載ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
リモートワーク(テレワーク)とは?
リモートワーク(テレワーク)とは、従来のオフィスに出社する形態とは異なり、自宅やカフェなど、任意の場所で業務を行う働き方を指します。
インターネット経由で業務ができるため、通勤不要が特徴です。
リモートワークを実施するためには、パソコンと安定したインターネット環境が必要です。
なお、「リモートワーク」と「テレワーク」という用語には本質的な違いはありません。
どちらも企業の物理的なオフィスから離れた場所で業務を行う働き方を意味しており、職場環境の柔軟性を高める手段として広く利用されています。
リモートワークのメリット・デメリット

リモートワークのメリット・デメリットについて、解説していきます。
リモートワークのメリット
リモートワークのメリットは、以下の5つがあげられます。
在宅勤務をすることで、通勤の必要がなくなります。
1.通勤時間の削減
片道1時間の通勤であれば、毎日2時間節約でき、通勤に必要な体力も温存できます。
節約できた時間は家事や趣味、自己研鑽など何をしても自由です。
また、ラッシュアワーのストレスからも解放されるため、精神的な負荷がなくなります。
2.柔軟な働き方の実現
在宅勤務は、家族の世話や介護など、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
場合によっては勤務時間を調整して自分のペースで仕事を進められるので、家庭と仕事のバランスをより良く保つことができます。
3.集中力を高める環境
オフィスの雑音や同僚の会話が耳に入ってくることがなく、集中して業務に取り組むことができます。
結果的に業務効率があがり、質の高い成果を生み出すことができるでしょう。
静かな環境での作業は、生産性を高める上で非常に有益です。
4.経済的メリット
交通費やランチ代を削減できます。
コンビニや飲食店でランチをしている場合、仮に1食1000円だとしても20日間で2万円です。
自宅で自炊をする場合は、経済的だけでなく健康面でもメリットがあります。
5.環境への配慮
通勤による交通機関の利用がなくなるので、二酸化炭素の排出量も抑えられます。
環境への負荷が軽減され、持続可能な社会的貢献が可能です。
在宅勤務には多くのメリットがあり、さまざまな面で非常に魅力的です。
リモートワークを活かして、より良いワークライフバランスを実現していきましょう。
リモートワークのデメリット
リモートワークには多くのメリットがありますが、当然デメリットもあります。
6つの項目で詳しく説明していきます。
1.コミュニケーションが難しい
リモートワーク中は、オフィスで対面しての会話がなくなります。
気軽に電話しづらい状況もあるため、コミュニケーションはメールやチャットの文章がメインになるでしょう。
文章では細かなニュアンスや感情が伝わりにくく、誤解を招くような状況が発生するかもしれません。
また、コミュニケーションスキルが足りないと、通常業務でさえ作業の効率が落ちてしまうでしょう。
2.自己管理が難しい
自宅で仕事をしていると上司や同僚の目が届かないため、自己管理能力が試されます。
テレビや音楽を聞いて過ごさないように、規律を持って仕事に取り組むことが重要です。
時間の管理能力も必要であり、効果的に業務をこなすためのスケジューリングが求められます。
3.孤独感の増大
在宅勤務では、一人で作業をする時間が多くなるため孤独感を感じやすくなります。
この孤独感が長期間続くと、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレスや不安を軽減するために、定期的なコミュニケーションやメンタルヘルスのケアが重要です。
4.仕事とプライベートの区別が難しい
自宅で仕事をすると、仕事の時間とプライベートの時間の境界があいまいになりがちです。
結果として長時間労働や休憩不足に陥ることがあり、健康面にも悪影響を及ぼします。
労働時間を明確に区切り、適度な休憩、プライベートとの切り替えを行うことが必要です。
5.パソコンやインターネットの不調
パソコンのトラブルやインターネットの接続不良が発生すると、業務に支障をきたします。
あらかじめバックアップの手段を用意し、迅速に問題を解決できるスキルが求められます。
6.セキュリティリスク
自宅で業務を行う際には、情報セキュリティのリスクが高まります。
企業の機密情報を扱う際には、データの保護やセキュリティ対策が重要です。
適切なセキュリティソフトの導入やVPNの使用などの対策が求められます。
リモートワークには多くのデメリットや課題が存在します。
問題なく業務をこなせるように、パソコンのスキルや課題解決能力を身につけ、リモートワークのメリットを最大限に活用することが大切です。
リモートワークが積極的に取り入れられている業界・職種

リモートワークは特定の業種に限られるという誤解もありますが、実際には幅広い業界・職種で導入が進んでいます。
リモートワークが活発な業界・職種について解説します。
1.IT業界
IT業界はリモートワークに最も適した業種の一つです。
プログラマーやデザイナー、システムエンジニアなどの専門職は、パソコン一台とインターネット接続があれば、場所を問わずに業務が可能です。
リモートワーク環境は、コードレビューやデザインチェックをオンラインツールを用いて行うことができます。
また、開発環境やサーバー管理もクラウド技術の進化により、場所を選ばずにアクセスが可能です。
2.マーケティング
デジタルマーケティング、SEO(検索エンジン最適化)、広告運用などの分野でもリモートワークの導入が進んでいます。
これらの業務は主にデジタルツールを活用して行われるため、物理的な出社が不要です。
具体的には、GoogleAnalyticsを用いたデータ分析、AdWordsを用いた広告キャンペーンの運用、各種SNSを通じたプロモーション活動などがあります。
3.カスタマーサポート
カスタマーサポートセンターもリモートワークに適しています。
コールセンター業務やチャットサポートは、専用のツールを使うことで、オフィス外でも対応可能です。
VoIP技術により、インターネットを通じた通話が可能であり、CRM(顧客関係管理)システムもオンラインで利用できるため、顧客対応の質を維持しながらリモートで業務を行うことができます。
4.教育
オンライン教育分野もリモートワークが盛んです。
学校や塾以外にも、オンライン授業や家庭教師などがリモート形式で行われるケースが増えています。
ZoomやMicrosoftTeamsなどのビデオ会議ツールを使えば、対面授業に近い形での講義やセミナーが可能です。
さらに、Elearningプラットフォームによる学習管理も普及しており、学生の進捗状況の把握や課題の提出もリモートで完結します。
5.クリエイティブ業界
クリエイティブ職種もリモートワークとの相性が非常に良いです。
ライターやイラストレーターは、自宅やコーヒーショップなど、どこでも創作活動を行うことができます。
柔軟な働き方により、クリエイティブな作業に専念することができるでしょう。
プロジェクト管理ツールやファイル共有サービスを使用すれば、クライアントとのコミュニケーションもスムーズに行えます。
6.ファイナンス・会計
ファイナンスや会計業務もリモートワークが進んでいます。
クラウド会計ソフトやオンラインバンキングツールを使用することで、どこからでも財務データの管理や報告が可能になりました。
特にフリーランスの会計士や税理士はリモートワークを活用しているケースが多いです。
7.人材業界
人材業界、特にエージェント業においても、リモートワークの導入が急速に進んでいます。 求人情報の提供・求職者とのカウンセリング・企業とのマッチングなど、多くの業務がオンラインで行えるようになりました。
地域の制約がなくなったことで、全国規模でのサービス提供が可能です。
ビデオ通話を活用した面談やオンラインでの適性診断など、テクノロジーを駆使したサービスの品質向上も顕著です。
リモートワークは、多くの業種で採用されており、業務の効率化と柔軟性向上に大きく貢献しています。
リモートワークがおすすめな人
リモートワークがおすすめな人・おすすめでない人の特徴を詳しく解説していきます。
リモートワークがおすすめな人
リモートワークがおすすめな人の特徴を5つあげます。
1.自己管理が得意な人
リモートワーク環境では自分自身でスケジュールを立て、計画的に仕事を進める能力が求められます。
自己管理が得意な人は、効率的にタスクをこなし、期限を超えることなく業務を完了させることができます。
また、自己管理力が高いことで、プライベートと仕事のバランスを保つことも容易にできるでしょう。
2.集中力が高い人
周囲の環境に左右されることがなく、一つの作業に深く集中できる人はリモートワークに向いています。
自宅やカフェなど、さまざまな場所で作業するときには集中力が重要です。
生産性が高く、質の高い成果を出すことができるでしょう。
3.技術に強い人
パソコンの操作やインターネット環境に慣れていることは、リモートワークを円滑に進める上で非常に重要です。
パソコンを使えるなど基本的なITスキルはもちろん、必要なときに自分で問題を解決できる技術的な知識も役立ちます。
オンラインツールやクラウドサービスの活用に関する知識があると、さらにスムーズに業務を進められます。
4.テキストコミュニケーションに慣れている方・得意な方
チャットやメール、ビデオ通話を駆使して効果的にコミュニケーションを取れるスキルは、リモートワークにおいて非常に重要です。
直接会話する機会が少ない環境でも、明確で分かりやすいコミュニケーションを行う能力が必要です。
特にプロジェクト管理やチームでの協力が求められる場合、このスキルは欠かせません。
5.ライフスタイルに柔軟性が必要な人
子育てや介護など、家庭の事情によって柔軟な働き方が求められる人にとって、リモートワークは理想的な働き方です。
仕事と家事を両立させたい人には、時間や場所にとらわれずに働ける環境が重宝されます。
また、自分自身のペースで働くことができるため、ストレスの軽減にもつながります。
以上が、リモートワークがおすすめの人の特徴でした。
リモートワークに向いていない人

一方で、リモートワークが合わない人も少なくありません。
その特徴と理由を詳しく説明します。
1.自己管理が苦手な人
誰かの監督や指導がないと、ついサボってしまう人には難しいかもしれません。
自己管理能力が低いと、業務の進行が遅れたり、締切に間に合わなかったりするでしょう。
オフィス環境での監視がないことが逆にストレスとなることもあります。
2.対面でのコミュニケーションを重視する人
直接会って対話をすることが仕事の一部だと感じる人には、リモートワークは向いていない可能性があります。
対面での会話や協力が業務の質に影響する場合、この点が大きなデメリットとなるでしょう。
人とのリアルな接触を好む人には、バーチャルなコミュニケーションが物足りなく感じることがあります。
3.孤独を感じやすい人
長時間一人で仕事をしていると気持ちが沈んでしまう人にとっては、リモートワークは孤独感を引き起こすリスクがあります。
孤独感が続くとメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があり、モチベーションが低下することも少なくありません。
4.技術に不安がある人
パソコンやインターネットの基本的な操作に不安を感じる人には、リモートワークは難しく感じるかもしれません。
技術的なトラブルに対応する能力が低いと、業務の継続が困難になる場面が多いです。
インターネット環境やデジタルツールの使い方に精通していない場合、仕事の進行が大幅に遅れる恐れがあります。
チームでサポート体制が敷かれているのであれば、問題はありません。
5.チームプレイが好きな人
物理的に離れた環境では、チームワークや協力の感じ方が異なり、一体感が欠けることがあります。
実際に顔を合わせることで得られるシナジー効果が感じられなくなるため、チームプレイを重視する職種には適していない場合があります。
リモートワークは、自身の特性やスキルによって向き不向きが大きく分かれる働き方です。
リモートワークの特性を理解し、自らの働き方を見つめ直すことで、よりバランスのとれたライフスタイルを築けるでしょう。
リモートワークに必要なもの
リモートワークを行うためには、適切な環境とツールの整備が欠かせません。
以下に、リモートワークを始めるために必要なものを詳しく説明します。
1.パソコン
リモートワークを円滑に進めるためにはパソコンが必須です。
ビデオ会議や複数のアプリケーションをスムーズに使用するためには、メモリ容量やCPU性能が高いパソコンを選びましょう。
また、大容量のストレージや高解像度のディスプレイも作業効率を高めるために重要です。
2.安定したインターネット接続
高速で安定したインターネット環境は、リモートワークの基盤です。
不安定な接続だと、会議やデータの送受信に支障をきたすことがあります。
光ファイバーや高速のブロードバンド接続を確保することが推奨されます。
バックアップとしてモバイルWiFiの準備も考慮すべきです。
3.ビデオ会議ツール
オンライン会議を円滑にするために、Zoom、MicrosoftTeams、GoogleMeetなどのビデオ会議ツールが必要です。
ツールを使うことで、遠隔でも対面に近い形でのコミュニケーションが可能になります。
セキュリティ設定や使い方を事前に確認しておきましょう。
4.コミュニケーションツール
チームやクライアントとの円滑なコミュニケーションを図るために、SlackやSkype、MicrosoftTeamsなどのコミュニケーションツールが欠かせません。
ファイル共有機能やリアルタイムでのチャット機能を利用して、効率的な情報交換を行いましょう。
プロジェクト管理ツールとの連携も視野に入れて選定することが重要です。
5.作業環境の整備
自宅に快適な作業環境を整えることは、リモートワークの成功に欠かせません。
座り心地の良い椅子や作業しやすい高さのデスクを用意するとともに、適切な照明を選ぶことが重要です。
自然光を取り入れつつ、デスクランプを使用して目の負担を軽減する環境を整備しましょう。
パソコンとインターネット環境以外は、リモートワークを始めてからでも整えられます。
自宅のインターネット環境が不安な場合は、モバイルWiFiを検討するか、引っ越しが必要になる場合もあるので注意です。
まとめ

リモートワークには、通勤時間の削減や柔軟性のある働き方など、多くのメリットがあります。
一方で自己管理の難しさやコミュニケーションの課題も存在します。
これらのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自分に合った働き方を見つけることが大切です。