本記事では、内定電話に出られなかった時の正しい対処法と、状況別の例文を詳しく解説します。
目次
内定の電話に出られないと内定取り消しになる?

結論から言うと、電話に出られなかっただけで内定が取り消されることはまずありません。企業の採用担当者も、転職者が現職で働きながら活動していることを十分理解しています。
会議中や接客中、通勤中など、電話に出られない状況は日常的にあるでしょう。企業側もこうした事情を考慮して複数回連絡を試みることが一般的です。ただし、その後の対応次第では印象が大きく変わってしまうでしょう。
重要なのは電話に出られなかったことではなく、その後どう対応するかです。無視を続けたり、何日も連絡を返さなかったりすると、入社意欲がないと判断される恐れがあります。最悪の場合、内定取り消しの可能性も否定できません。
内定の電話に出られなかった場合にするべき3つの対応

内定の電話に出られなかった時は、冷静に以下の3つの対応を順番に行うことが大切です。
- 着信履歴と留守番電話の内容を確認する
- 早急に折り返し電話をかける
- 電話またはメールで誠意ある謝罪を伝える
連絡を無視する、放置するといった間違った対応をしてしまうと、せっかくの内定が台無しになる可能性もあります。正しい対応を理解して、落ち着いて対処しましょう。
着信履歴と留守番電話の内容を確認する
まず最初に行うべきは、着信履歴と留守番電話の確認です。企業名と担当者名を把握し、用件の内容を理解することが重要です。
留守番電話が残されている場合は、メモを取りながら聞き直しましょう。企業名、担当者の部署と名前、折り返しの要否、連絡可能な時間帯など、重要な情報を書き留めます。
着信のみで留守電がない場合は、過去の連絡と照合するなどして番号から企業を確認しましょう。
早急に折り返し電話をかける
内定の連絡だと確認できたら、できる限り早く折り返し電話をかけることが理想的です。営業時間内であれば、すぐに連絡を取りましょう。
折り返しのベストタイミングは、午前10時から12時、午後2時から4時頃です。始業直後や終業間際は避け、相手が落ち着いて対応できる時間帯を選びます。17時以降や18時以降の連絡は、企業によっては担当者が不在の可能性が高くなります。
やむを得ず遅い時間になる場合は、まずメールで状況を説明し、翌日改めて電話する旨を伝えましょう。また、現職の都合で当日中の連絡が難しい場合でも、遅くとも翌営業日の午前中には必ず連絡を入れるようにしましょう。
電話またはメールで誠意ある謝罪を伝える
折り返しで連絡する際は、まず電話に出られなかったことへのお詫びを伝えましょう。理由は簡潔に伝え、言い訳がましくならないよう注意が必要です。
その後、今後の対応について確認し、必要な手続きや書類提出の期限などを正確に把握します。最後に、連絡をいただいたことへの感謝の気持ちを必ず伝えましょう。
【状況別】内定関連の電話例文集

内定に関する電話対応は、状況によって伝えるべき内容が異なります。ここでは、転職活動中によくある4つのシーンを想定した例文を紹介します。これらの例文を参考に、状況に合わせてアレンジして使用してください。
折り返し電話をかける場合
折り返し電話では、冒頭で必ずお詫びを伝え、用件を確認することから始めます。
| 【例文】お忙しいところ恐れ入ります。〇〇と申します。先ほどお電話をいただいておりましたが、会議中で出ることができず大変申し訳ございませんでした。△△様からご連絡をいただいていたかと思うのですが、お取次ぎいただけますでしょうか。(担当者とのやり取り)この度はご連絡をいただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。 |
担当者につながったら、改めてお詫びを伝え、用件を確認します。内定の連絡であれば、まず感謝の気持ちを示してから、詳細を確認していきます。
メモを取りながら、入社日や必要書類など重要な情報を聞き漏らさないよう注意しましょう。
内定承諾を伝える場合
内定を承諾する際は、明確な意思表示と入社への意欲を伝えることが重要です。
| 【例文】(担当者から内定の旨を伝えられた後) この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。ぜひ御社で働かせていただきたく、謹んでお受けいたします。御社の一員として貢献できるよう、精一杯努力してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。 |
条件面で不明な点があれば、この機会に確認しておくことも大切です。給与や勤務地、配属先など、重要な条件は後々のトラブルを避けるためにも明確にしておきましょう。
内定保留をお願いする場合
他社の選考が残っている場合など、回答を保留したい時は誠実な対応が大切です。このとき、保留の理由は正直に伝えるようにしましょう。
| 【例文】 (内定の旨を伝えられた後) 大変光栄なお話をいただき、心より感謝申し上げます。ただ、現在他社の最終選考も控えており、〇月〇日までお返事を待っていただくことは可能でしょうか。 (担当者からの返答) 貴重なお時間をいただくことになり恐縮ですが、御社で働きたい気持ちは強く持っております。じっくり検討させていただき、必ず期日までにご連絡いたします。 |
「働きたい」という前向きの気持ちも忘れずに伝えましょう。企業側も転職活動を理解してますので、誠実に事情を説明すれば対応してもらえることがほとんどです。
また、内定を保留する場合は回答期限がいつなのか必ず確認するようにしましょう。
内定辞退を伝える場合
内定辞退は最も伝えにくい内容ですが、その後の相手企業との関係が悪くならないためにも、誠意を持って対応しましょう。
| 【例文】 (内定の旨を伝えられた後) この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。大変申し訳ございませんが、慎重に検討した結果、今回は辞退させていただきたく存じます。 他社から内定をいただき、自身のキャリアプランを考慮した結果、そちらに入社することといたしました。 (担当者からの返答) 貴重なお時間を割いて選考していただいたにも関わらず、このような結果となり心苦しく思っております。これまでのご対応に心より感謝申し上げます。 |
辞退理由を聞かれた場合は、詳細を話す必要はありませんが、嘘をつくことは避けましょう。
転職活動中の連絡で押さえるべき5つのポイント

ここでは、内定の連絡を含む転職活動中の電話対応で失敗しないための以下の重要なポイントを5つ紹介します。
- 1.基本的なビジネスマナーを守る
- 2.事前に電話対応可能な時間帯を企業に伝える
- 3.担当者不在で繋がらない時はメールに切り替える
- 4.非通知や知らない番号からの着信も必ず確認する
- 5.応募企業リストとメモを手元に準備してから電話する
転職活動では、企業とのコミュニケーションが合否を左右することもあります。連絡時のマナーも意識しましょう。
1.基本的なビジネスマナーを守る
転職活動中のコミュニケーションでは、社会人としての基本的なマナーが評価されます。正しい敬語を使い、相手を敬う姿勢を忘れないことが大切です。
電話をかける時間帯も重要です。始業直後の9時台前半や、昼休み時間帯の12時から13時、終業間際の17時以降は避けるのがマナーです。10時から11時半、14時から16時半が連絡を取りやすい時間帯とされています。
2.事前に電話対応可能な時間帯を企業に伝える
現職で働きながら転職活動をしている場合、日中の電話対応が難しいことを事前に伝えておくことが重要です。
履歴書や職務経歴書の備考欄に「平日は18時以降、土日は終日連絡可能です」といった形で記載しておきます。面接時にも「現在就業中のため、平日の日中はお電話に出られない可能性があります」と事情を説明し、理解を求めましょう。
電話でのやり取りが難しく、メールでの連絡を希望する場合は、その旨を伝えると良いでしょう。多くの企業は事情を理解し、配慮してくれます。
3.担当者不在で繋がらない時はメールに切り替える
折り返し電話をしても担当者が不在の場合があります。状況によりますが、複数回電話が繋がらない場合はメールでの連絡に切り替えましょう。
1回目の電話で不在の場合は、電話に出た方に「お戻りは何時頃のご予定でしょうか」と確認し、その時間に再度連絡します。2回目も不在の場合は、伝言を残すとともに、自分から連絡可能な時間帯を伝えます。
3回電話しても繋がらない場合は、メールに切り替えることを検討しましょう。メールでは電話に出られなかったお詫び、折り返し電話をしたこと、連絡可能な時間帯を明記します。
4.非通知や知らない番号からの着信も必ず確認する
転職活動中は、非通知や見知らぬ番号からの着信にも注意が必要です。企業の代表番号や、普段使わない部署の番号から連絡が来ることがあるからです。
応募した企業の電話番号は、代表番号も含めて事前にメモしておきます。転職エージェントを利用している場合は、エージェントの番号も登録しておきましょう。知らない番号からの着信があった場合は、まずインターネットで番号を検索し、企業からの連絡でないか確認します。
留守番電話サービスは必ず設定しておき、用件を確認できるようにしておくことが大切です。非通知の着信が続く場合は、応募企業やエージェントに「非通知で着信があったのですが」と確認の連絡を入れることも検討しましょう。
5.応募企業リストとメモを手元に準備してから電話する(300文字)
複数の企業に応募している場合、どの企業からの連絡か混乱しないよう、以下のように情報を整理すると良いでしょう。
| 準備項目 | 内容 |
| 企業情報 | 応募企業名、担当者名、応募日、選考状況をまとめる |
| 質問事項 | 各企業ごとに確認したい内容をメモしておく |
| スケジュール | 面接可能日時を明確にしておく |
電話をかける前に、該当企業の情報を確認し、これまでの選考経過を振り返っておきます。志望動機や自己PRなど、面接で話した内容も思い出しておくと、一貫性のある対応ができます。
企業名や担当者名を間違えることは致命的なミスになりかねません。必ず正確な情報を手元に置いてから電話をかけるようにしましょう。
内定の連絡に出られなかった時のお詫びメール例文集

電話での連絡が難しい場合や、折り返し電話で担当者が不在だった場合は、メールでの対応が必要になります。メールは記録が残るため、より丁寧で正確な文章を心がける必要があります。
ここでは、状況別のお詫びメール例文を紹介します。件名は簡潔で分かりやすく、本文は誠意が伝わる内容にすることがポイントです。
折り返し電話ができない場合
現職の都合などですぐに折り返し電話ができない場合のメール例文です。
| 【例文】 件名:お電話いただいた件につきまして(氏名) 株式会社〇〇 人事部 △△様 お世話になっております。 本日お電話をいただいておりました〇〇と申します。 会議中でお電話に出ることができず、 大変申し訳ございませんでした。 現在外出中のため、本日中の折り返しが 難しい状況です。明日の10時から12時、または14時から17時の間でお電話させていただければと存じますが、 ご都合はいかがでしょうか。 もしくは、△△様のご都合の良い時間をお知らせいただければ、そのお時間に必ずご連絡させていただきます。 お手数をおかけして大変恐縮ですが、 よろしくお願い申し上げます。 〇〇(氏名) _______________ 〇〇(氏名) 電話:090-XXXX-XXXX メール:xxxxx@xxxx.com |
はじめに連絡が繋がらなかったお詫びは必ず伝えましょう。また、連絡可能な時間帯を複数提示し、相手が選びやすいよう配慮することが大切です。このとき、電話番号を明記しておくとさらに良いでしょう。
翌日に折り返す場合
当日中に連絡できず、翌日の対応になってしまう場合の例文です。
| 【例文】 件名:昨日のお電話の件でご連絡(氏名) 株式会社〇〇 人事部 △△様 お世話になっております。 昨日、お電話をいただいておりました〇〇と申します。 お電話をいただいていたにも関わらず、業務の都合により対応ができず大変申し訳ございませんでした。 また、昨日中にご連絡できず、 重ねてお詫び申し上げます。 本日、午前10時頃に改めてお電話をいたしたく存じますが、 ご都合はいかがでしょうか。もし別の時間がよろしければ、 △△様のご都合に合わせてご連絡いたします。 何卒よろしくお願いいたします。 〇〇(氏名) _______________ 〇〇(氏名) 電話:090-XXXX-XXXX メール:xxxxx@xxxx.com |
対応が遅れてしまった謝罪とその理由は必ず伝えましょう。また、相手側が連絡がとりやすくなるよう、折り返しの連絡の予定時刻やこちらの都合の良い時間を共有するとより丁寧です。
SMSや留守電があった場合
SMSや留守電でメッセージを受け取った場合の返信例文です。
| 【例文】 件名:留守番電話メッセージ確認のご連絡(氏名) 株式会社〇〇 人事部 △△様 お世話になっております。〇〇と申します。 先ほど留守番電話にメッセージを 残していただき、ありがとうございました。 内定のご連絡をいただいたとのこと、 大変嬉しく思っております。 お電話に出ることができず、 誠に申し訳ございませんでした。 すぐに折り返しお電話させていただきましたが、 お忙しいようでしたので、 メールにて失礼いたします。 明日の午前中(10時〜12時)に改めてお電話させていただければと存じます。 詳細をお伺いできることを心待ちにしております。 何卒よろしくお願いいたします。 〇〇(氏名) _______________ 〇〇(氏名) 電話:090-XXXX-XXXX メール:xxxxx@xxxx.com |
はじめに、留守電やSMSの内容を確認したことを明確に伝え、対応ができなかった謝罪を伝えましょう。また、折り返しの日時や連絡のつく日時を共有すると再度のすれ違いを防げるでしょう。
内定連絡に関するよくある質問

転職活動中は様々な不安や疑問が生じます。特に内定の連絡に関しては、対応を間違えると取り返しのつかないことになるのではと心配になる方も少なくないでしょう。
ここでは、よく寄せられる質問について、実務的な観点から回答します。
Q1. 営業時間外や始業前に折り返してもよい?
基本的に、企業への連絡は営業時間内(9時〜18時)に行うのがマナーです。忙しい始業直後や終業間際、昼休みを避けた、10時〜17時の間が理想的です。
ただし、企業から「18時以降でも構いません」と言われた場合や、留守電で「本日20時まで在社しています」といったメッセージがあった場合は、その時間内であれば問題ありません。
営業時間外にしか連絡できない場合は、まずメールで事情を説明し、連絡可能時間を伝えることをお勧めします。連絡を受けた翌日の営業時間に電話ができる場合はそのことを伝えましょう。
Q2. 2回連続で電話に出られなかった場合はどうする?
2回連続で電話に出られなかった場合でも、それだけで印象が悪くなることはありません。重要なのは、その後の対応です。
まず、できるだけ早く折り返し電話をかけ、2回も出られなかったことを丁寧にお詫びします。「度々お電話をいただいていたにも関わらず、出ることができず大変申し訳ございませんでした」というように誠意を示すことが大切です。
折り返しの電話ができない場合や電話が繋がらなかった場合は、メールで謝罪の旨を伝えましょう。
企業側も事情は理解していますが、誠実な対応を見せることで、悪い印象になることを避けられるでしょう。
Q3. 最終面接の結果連絡に出られなかった時の影響は?
最終面接の結果連絡に出られなかったからといって、合否が変わることはありません。合否は面接時点で決定しており、電話への対応で覆ることはないので安心してください。
ただし、内定の場合は承諾期限が設定されていることが多いため、迅速な対応が必要です。連絡に対応できないまま無視したり、放置したりすると内定が取り消される可能性があります。
結果連絡だと分かっている場合は、特に注意して電話に出られる環境を整えておくことをお勧めします。それでも出られなかった場合は、すぐに折り返して結果を確認し、適切な対応を取りましょう。
Q4. 内定承諾後に辞退することは可能?
法的には、内定承諾後でも入社2週間前までは辞退が可能です。しかし、企業は内定承諾を受けて他の候補者を断っていたり、スケジュールを組んでいる可能性が高いため、道義的な問題が生じます。
やむを得ず辞退する場合は、決断したらすぐに連絡することが最低限のマナーです。電話で直接お詫びし、理由を誠実に説明します。相手企業とのその後の関係を考えると、真摯な謝罪が必要です。
内定承諾は慎重に行い、安易な承諾は避けるべきです。保留期間をもらって十分検討してから返答することが、企業にとっても自分にとっても最善の選択となります。
まとめ:電話に出られなくても内定は取り消されない!誠実な対処で好印象へ
内定の電話に出られなかったとしても、それだけで内定が取り消されることはありません。大切なのは、その後の対応を迅速かつ誠実に行うことです。
本記事で紹介した対応や例文を参考に冷静に対処するようにしましょう。適切な対応によって社会人としてのマナーや対応力をアピールする機会にもなります。
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キャリアアドバイザー、リクルーティングアドバイザー、社内人事などを経て、現在は転職メディア「転テン」の運営を担当。転職に悩む方の力になるべく、リアルな現場経験を活かしたノウハウを発信中。あなたの「キャリアづくり」を応援します。
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