実際、転職市場では評価されにくい資格も存在します。本記事では、転職活動における資格の価値について解説します。
目次
転職活動で「意味ない」と言われがちな資格9選とその理由

ここでは、実際の転職活動で「取得しても意味がなかった」という声が多い以下の資格を9つ紹介し、なぜ評価されにくいのかを解説します。
- 心理カウンセラー資格(民間)
- 登録販売者(条件付き)
- 医療事務
- AWS・CAD・PythonなどのIT関連資格
- 介護事務
- 整理収納アドバイザー
- カラーコーディネーター
- パーソナルカラー資格
- 食生活アドバイザー
転職市場で評価されにくい資格には必ず理由があります。
心理カウンセラー資格(民間)
心理カウンセラーの民間資格は、転職市場での評価が低い代表例です。国家資格である公認心理師と違い、民間の心理カウンセラー資格は独占業務がなく、資格がなくても同じ業務ができるため、企業側は重視しない傾向にあります。
実際の求人では「公認心理師または臨床心理士」と国家資格が指定されることがほとんどで、民間資格では応募要件を満たせないケースも少なくありません。
登録販売者(条件付き)
登録販売者は医薬品販売の専門資格ですが、転職での評価は業界や地域によって大きく異なります。ドラッグストアでは必須資格として重宝されますが、それ以外の業界では評価されにくい傾向にあります。
また、実務経験がないと「研修中」扱いとなり、単独で業務ができないため、未経験者が取得しても即戦力として評価されにくいのが現状です。
医療事務
医療事務資格は複数の団体が認定しており、統一された国家資格ではありません。医療事務の仕事自体、資格がなくてもできるため、実務経験の方が重視される傾向があります。
資格取得に3〜6万円かかる一方で、資格手当もほとんどなく、費用対効果が低いのが実情です。
AWS・CAD・PythonなどのIT関連資格
IT系の資格は、実務経験なしで取得しても評価されにくい典型例です。企業が求めているのは「資格を持っている人」ではなく「実際に開発ができる人」であることが少なくないためです。
AWS認定資格やCAD利用技術者試験は、実際にその技術を使った開発経験がなければ、単なる知識の証明となってしまうでしょう。
介護事務
介護事務資格は、介護施設での事務業務に特化した民間資格です。介護の事務業務は一般的な事務スキルがあれば資格がなくても可能です。
介護業界では介護福祉士などの現場系資格の方が圧倒的に需要が高く、事務職の求人自体が少ないのが現状のため、評価されにくくなってしまいます。
整理収納アドバイザー
整理収納アドバイザーは、片付けのプロを認定する資格ですが、独立開業でもしない限り転職市場での評価はされにくい傾向です。
趣味の延長として見られることが多く、ビジネススキルとしては認識されにくいためです。企業の採用担当者からは「自己啓発」程度にしか見られない可能性もあります。
カラーコーディネーター
カラーコーディネーター資格は、色彩の専門知識を証明する資格ですが、デザイン業界以外ではほぼ評価されません。
デザイン業界でも、実際の制作実績やポートフォリオの方が重視され、資格の有無は採用の決め手になりにくい傾向にあります。
アパレル業界でも、実際の販売経験やセンスの方が重視される傾向があります。
パーソナルカラー資格
パーソナルカラー資格は、個人に似合う色を診断する資格ですが、一部を除いて転職市場での需要はあまりありません。
複数の団体が似たような資格を発行しており、どの資格が信頼性が高いのか不明確であるためです。資格自体は転職では評価されにくいのが現状です。
食生活アドバイザー
食生活アドバイザーは食の知識を証明する資格ですが、管理栄養士のような独占業務がないため、転職市場での評価は低めです。飲食業界でも、調理師免許や栄養士資格の方が圧倒的に需要が高く、食生活アドバイザーを必須とする求人はほぼありません。
資格を活かせる職場も限定的で、取得しても転職の決め手にはなりにくいのが実情です。
なぜ「資格は意味ない」という人がいるのか?3つの原因を解説

「資格なんて意味ない」という意見を耳にすることがありますが、これには明確な理由があります。ここでは資格が評価されにくい3つの主要な原因を解説します。
- 資格よりも実務経験を重視する企業が多い
- 資格だけでは食べていけない
- 資格取得に時間とお金をかけても回収できない
資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
資格よりも実務経験を重視する企業が多い
厚生労働省の報告書によると日本の企業は、採用時に「実務経験」を最重視するという調査結果があります。特に中途採用では即戦力が求められるため、資格の有無より実務経験の内容が評価の中心になります。
企業側からすれば、資格は「知識がある」証明にすぎず、「仕事ができる」証明にはならないという認識が根強いのです。
資格取得に時間を費やすより、アルバイトでも派遣でも実務経験を積む方が、転職市場では有利になるケースが多いのが現実です。
参照:「『企業等の採用手法に関する調査結果』報告書」厚生労働省
資格だけでは食べていけない
「資格を取れば安定した収入が得られる」ことは現実的ではありません。独占業務がある資格でも、開業すれば競争にさらされ、収入は保証されません。
資格取得後も、営業力、人脈、資金力など、ビジネススキル全般が必要になります。「資格さえあれば」という考えは、現実と大きくかけ離れているのです。
資格取得に時間とお金をかけても回収できない
資格取得には相応のコストがかかりますが、そのコストを回収できないケースが多いのも事実です。予備校代、受験料、更新費用などを合計すると、数十万円に達することも珍しくありません。
その資格が昇進や転職に直結しない場合、時間とお金が無駄になってしまいます。特に、年齢が上がるほど資格より経験が重視されるため、40代以降での資格取得は費用対効果が低くなりがちです。
「役に立たない」と言われがちな資格の5つの特徴

転職市場で評価されにくい資格には、以下のような共通する特徴があります。
- 誰でも取れる難易度が低い資格
- 一般企業や団体が認定する民間資格
- 趣味と混同される資格
- 独占業務がない資格
- 需要と供給のバランスが悪い資格
これらの特徴を理解することで、無駄な資格取得を避け、本当に価値のある資格を見極めることができます。
誰でも取れる難易度が低い資格
合格率が70%を超えるような資格は、希少価値がなく差別化要因になりません。企業の採用担当者も「誰でも取れる資格」という認識を持っており、評価の対象にならないケースがほとんどです。
難易度の低い資格は、基礎的な知識の証明にはなりますが、転職市場での競争力にはなりません。むしろ履歴書に書くことで「レベルの低い資格で埋めている」と逆効果になる可能性すらあります。
一般企業や団体が認定する民間資格
国家資格と違い、民間資格は法的な裏付けがなく、認定団体の信頼性も様々です。特に、営利目的で乱立している資格も多く、企業側も評価基準が定まらないのが現状です。
| 資格の分類 | 信頼性 |
| 国家資格 | 高い |
| 公的資格 | 中程度 |
| 民間資格 | 低い〜中程度 |
民間資格の中には、受講料収入が目的の「資格ビジネス」も存在し、取得してもほとんど評価されないものも少なくありません。
趣味と混同される資格
趣味の延長と見られる資格は、ビジネスシーンでの評価が低くなりがちです。これらの資格は、個人の教養や趣味としては素晴らしいものですが、転職活動でアピールしても良い評価には繋がりにくいでしょう。
採用担当者からは「プライベートの充実」程度にしか見られず、業務能力の証明にはなりません。むしろ「仕事より趣味を優先する人」という印象を与えるリスクもあります。
独占業務がない資格
資格保有者しかできない「独占業務」がない資格は、転職市場での価値が低くなりがちです。
独占業務がある資格(弁護士、税理士、電気工事士など)と比較すると、必要性が低く、企業も資格の有無にこだわらない傾向があります。
資格取得を検討する際は、その資格にしかできない業務があるかを確認することが重要です。
需要と供給のバランスが悪い資格
資格保有者が多すぎて飽和状態の資格も、転職市場での価値が下がります。例えば、簿記3級は年間30万人以上が受験する資格ですが、保有者が多すぎて差別化要因になりません。
一方で、需要自体が少ない超マイナー資格も、活かせる職場が限定的で転職に役立ちません。需要と供給のバランスが取れた、適度な希少性がある資格を選ぶことが大切です。
転職で後悔しない!資格選びの5つのポイント

ここでは、実践的な資格選びの方法を5つのポイントで解説します。
- 求人サイトで資格名を検索して求人数を確認する
- 取得費用と想定年収アップ額を比較する
- 現在の職歴と関連性がある資格を選ぶ
- 取得までの期間と転職時期を逆算する
- 資格保有者の実際の声をSNSや口コミで調べる
資格取得を転職成功につなげるためには、戦略的な選択が必要です。
求人サイトで資格名を検索して求人数を確認する
資格取得前に、主要な求人サイトでその資格名を検索し、実際の求人数を確認することが重要です。複数のサイトで検索し、求人数が100件以下なら需要が少ないと判断できます。
また、求人の詳細を見て「必須」なのか「歓迎」なのか、資格手当の有無も確認しましょう。この簡単な調査だけで、その資格の市場価値がある程度把握できます。
取得費用と想定年収アップ額を比較する
資格取得にかかる総費用(受験料、教材費、スクール代など)と、資格取得後の年収アップ額を比較し、投資回収期間を計算します。
一般的に、2年以内に回収できない資格は費用対効果が低いと考えられます。費用対効果が低い場合、他の自己投資を検討した方が賢明かもしれません。
現在の職歴と関連性がある資格を選ぶ
全く未経験の分野の資格より、現在の職歴を活かせる資格の方が転職市場で評価されます。特に実務経験が関わる資格であれば評価されるでしょう。
職歴に関連のない資格を取得しても、実務経験がないため即戦力としては評価されにくいのが現実です。キャリアの一貫性を意識した資格選びが重要です。
取得までの期間と転職時期を逆算する
資格取得には数ヶ月から数年かかるものもあります。転職を希望する時期から逆算し、現実的なスケジュールを立てることが大切です。
また、年1回しか試験がない資格は、不合格の場合1年待つことになります。複数回受験機会がある資格の方が、転職計画を立てやすいでしょう。
資格保有者の実際の声をSNSや口コミで調べる
SNSや口コミで、実際にその資格を持っている人の投稿を検索してみましょう。「○○資格 意味ない」「○○資格 後悔」などで検索すると、リアルな声が見つかります。
資格学校の宣伝文句だけでなく、実際に取得した人の転職成功例や失敗談を参考にすることで、その資格の本当の価値が見えてきます。
「一生食べていける」と評される資格16選

転職市場で高く評価され、長期的にキャリアを支える資格も存在します。ここでは、実際に需要が高く、将来性もある資格を業界別に紹介します。
IT・エンジニア系の穴場資格
IT業界では、基本情報技術者のような定番資格より、以下のような専門性の高いニッチな資格の方が高収入につながることがあります。
- 情報処理安全確保支援士
- ネットワークスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- プロジェクトマネージャ
これらの資格は難易度が高い分、保有者が少なく、企業からの需要も高い傾向にあります。特にセキュリティ関連の資格は、サイバー攻撃の増加により今後さらに需要が高まるでしょう。
不動産・建築系の専門資格
不動産・建築業界には、以下のように独占業務がある資格が多く、安定した需要があります。
- 宅地建物取引士
- 建築設備士
- マンション管理士
- 管理業務主任者
- 建築設備士
宅地建物取引士は不動産取引に必須の資格で、不動産会社では5人に1人の設置義務があります。マンション管理士や管理業務主任者も、マンションの増加により需要が安定しています。
建築設備士は、建築士に対して建築設備の設計・工事監理のアドバイスができる国家資格で、保有者が少ない割に需要が高い傾向です。
医療・福祉系のニッチ資格
高齢化社会により、医療・福祉系の資格は今後も需要が見込まれます。
- 言語聴覚士
- 臨床工学技士
- 義肢装具士
- 視能訓練士
これらの資格は、リハビリの専門職に関わります。看護師や介護福祉士と比べて知名度は低いものの、専門性が高く、競争も少ないため、需要がある資格と言えるでしょう。
製造業・工業系の実務資格
製造業では、現場で即戦力となる実務系の資格が重宝されます。
- 電気主任技術者(電験)
- エネルギー管理士
- 危険物取扱者甲種
電気主任技術者(電験)は、電気設備の保安監督ができる独占業務資格で、特に第二種、第三種は需要が高く、定年後も仕事に困りません。エネルギー管理士も、省エネ法により一定規模以上の工場では選任義務があり、安定した需要があります。
危険物取扱者甲種は、すべての危険物を扱える資格で、化学プラントや石油関連施設では必須です。
【男性・女性別】取ってよかった資格ランキング

性別により働き方やキャリアプランが異なることも多いため、男女それぞれで「取ってよかった」と評価される資格を紹介します。
男性が取ってよかった資格TOP5
男性の転職市場で高く評価される資格には、技術系や管理系の資格が多く含まれます。
- 電気工事士
- フォークリフト運転技能者
- 宅地建物取引士
- 第二種電気主任技術者
- 施工管理技士
これらの資格に共通するのは、実務に直結し、独占業務や必置義務があることです。また、体力仕事も含まれますが、経験を積めば管理職として長く働ける点も評価されています。
女性が自立できる・職に困らない資格TOP5
女性のライフスタイルに合わせて、柔軟な働き方ができる資格が人気です。
- 医療事務
- 登録販売者
- 保育士
- 日商簿記2級
- ファイナンシャルプランナー2級
出産・育児でブランクがあっても復職しやすい点が、女性に人気の資格の共通点です。
転職市場で評価されにくい資格もありますが、全国どこでも働ける、時短勤務が可能、在宅ワークができるなど、ライフステージに合わせた働き方ができる資格が「取ってよかった」と評価されています。
40代・50代の転職で意味ない資格と意味ある資格
年齢が上がるにつれて、資格の価値も変化します。40代・50代での資格取得戦略について、現実的な視点から解説します。
40代で資格取得しても意味ない場合
40代での資格取得は、若年層とは異なる視点が必要です。この年代では、未経験分野の資格を取得しても評価されにくいのが現実です。
企業は40代に「即戦力」と「マネジメント能力」を求めるため、実務経験のない分野の資格は評価対象外となることがほとんどです。
また、投資回収の観点からも、40代での高額な資格取得は慎重になるべきです。定年まで20年として、資格取得に100万円かけても、年5万円以上の収入増がなければ回収できません。
50代でも転職につながる資格
50代でも価値がある資格は、経験を活かせる専門資格や、定年後も働ける資格です。
たとえばキャリアコンサルタントは、人事やマネジメント経験を土台に、企業の顧問や研修講師として活躍しやすい資格です。中小企業診断士も、経営や管理職経験があれば、実践的な助言ができる点で評価されます。
若手にはない「経験値」を資格で裏付けることができれば、シニア人材としての市場価値が向上するでしょう。
人生やり直しに役立つ資格
40代・50代で「人生をやり直したい」と考える人には、独立開業可能な資格がおすすめです。
行政書士や社会保険労務士は、実務経験がなくても独立開業でき、定年がない仕事です。ただし、開業には営業力と資金力が必要です。
介護職員初任者研修から始めて介護福祉士を目指すルートも、50代からでも現実的です。介護業界は慢性的な人手不足で、年齢不問の求人が多く、実務経験を積めば管理職も目指せます。
ニートがとるべき資格は?就職につなげる3つのポイント

ニートや長期無職の方が社会復帰を目指す際、資格取得は有効な手段になりえます。ただし、戦略的に資格を選ばないと、時間とお金の無駄になってしまいます。
未経験でも採用されやすい資格を優先する
ニートの方がまず取得すべきは、未経験でも採用に直結する資格です。学歴や職歴を問わず、資格を重視している業界や企業を調べ、資格取得をしましょう。
まずは、どんな形でも社会復帰することが重要で、その後キャリアアップを目指すのが現実的なアプローチです。その一歩として、採用に繋がる資格の取得を目指しましょう。
独学で取得可能かつ費用が安い資格から始める
経済的に余裕がない場合は、独学で取得できる資格から始めましょう。
費用が抑えられる資格は取得に失敗してもダメージが少なく、合格すれば自信にもつながります。その後の資格取得に繋がる資格もあるため、独学で始められるものから手を付けるのも一つの方法です。
正社員求人が多い業界の資格を狙う
最終的には、正社員として安定した職に就くことが目標です。正社員求人が多い業界の資格を戦略的に狙いましょう。
資格取得に時間を要するものでも、その分、正社員として採用される可能性が高く、将来的な安定も期待できます。ニートからの脱出は簡単ではありませんが、適切な資格を選べば、社会復帰の一歩を踏み出せるでしょう。
まとめ:資格取得は「手段」であって「目的」ではない
資格取得を考える際、最も重要なのは「なぜその資格が必要なのか」を明確にすることです。転職、キャリアアップ、独立開業など、明確な目的があってこそ、資格は価値を発揮します。
転職市場では、資格の有無より「何ができるか」が評価される側面もあります。資格取得に時間とお金を投資する前に、その資格が本当に自分のキャリアプランに必要か、冷静に判断することが大切です。


キャリアアドバイザー、リクルーティングアドバイザー、社内人事などを経て、現在は転職メディア「転テン」の運営を担当。転職に悩む方の力になるべく、リアルな現場経験を活かしたノウハウを発信中。あなたの「キャリアづくり」を応援します。
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