本記事では、なぜ年間休日105日が問題視されるのか、実際の休み方はどうなるのか、そして転職を検討すべきタイミングまで詳しく解説します。
目次
年間休日105日は違法なのか?基準と誤解されやすいポイントを整理

年間休日105日と聞いて「少ない」と感じる方は多いでしょう。ここでは以下の3つの基準を紹介します。
- 年間休日105日という数字は法律に直接書かれているわけではない
- 法定労働時間から逆算すると105日が「下限」になる
- 36協定があっても休日数の最低基準は変わらない
年間休日について誤解をしていないか確認しましょう。
年間休日105日という数字は法律に直接書かれているわけではない
労働基準法では「年間休日105日」という具体的な数字は一切登場しません。労働基準法第35条が定めているのは、週1回以上の休日(法定休日)と、1週間の労働時間は40時間までという基準のみです。
| 労働基準法の規定 | 内容 | 年間換算 |
| 法定休日 | 週1回以上 | 最低52日 |
| 法定労働時間 | 週40時間まで | 年間2085時間まで |
| 時間外労働 | 36協定が必要 | 原則月45時間・年360時間 |
年間休日105日という基準は、あくまで労働時間の上限から計算された「実務上の最低ライン」であり、法律に明記された数字ではないという点を理解しておく必要があります。
法定労働時間から逆算すると105日が「下限」になる
年間休日105日という数字の根拠は、1日8時間労働を前提とした場合の計算から生まれます。年間365日から105日を引くと260日となり、これに8時間を掛けると2080時間となります。
この2080時間という数字は、労働基準法で定められた週40時間労働を年間換算した場合(40時間×52週=2080時間)とほぼ一致します。つまり、法定労働時間ギリギリまで働かせる場合の休日数が105日ということになります。
36協定があっても休日数の最低基準は変わらない
36協定とは、労働基準法第36条にもとづき、法定労働時間や法定休日を超えて労働させる場合に必要となる労使協定です。締結していなければ、企業は残業や休日労働を命じること自体ができません。
36協定があっても、年間の総労働時間には上限があります。仮に時間外労働をさせる場合でも、その分の割増賃金が必要となるため、企業側にとってもコスト増となります。
36協定はあくまで時間外労働を可能にする協定であり、年間休日の最低基準を変更するものではありません。
年間休日105日が「やめとけ」と言われる5つの理由

転職経験者の多くが「やめとけ」とアドバイスする以下の理由を、具体的に見ていきましょう。
- 月に8〜9日しか休みがない
- 祝日は出勤日として扱われる
- 夏季休暇と年末年始休暇が存在しない
- 有給を使わないと連休が取れない
- 家族や友人と予定が合わない
年間休日105日は法律上問題ないとしても、実際に働く側からすれば話は別です。
月に8〜9日しか休みがない
年間休日105日を12ヶ月で割ると、月平均8.75日の休みとなります。これは、週休2日制の会社と比べて月に2〜3日も休みが少ない計算です。つまり、月に3週間は週1日しか休めないということです。
このような休日配分では、疲労が蓄積しやすく、プライベートの時間も十分に確保できません。特に、家事や育児、介護などの責任がある方にとっては、かなり厳しい環境となります。
月8〜9日という休日数は、体力的にも精神的にも限界ギリギリのラインであり、長期的に働き続けることは困難と言わざるを得ません。
祝日は出勤日として扱われる
日本の祝日は年間16日ありますが、年間休日105日の会社では、これらの祝日はすべて出勤日として扱われます。世間が休んでいる日に働くことのストレスは想像以上に大きいものです。
特に影響が大きいのは、ゴールデンウィークや年末年始といった大型連休期間です。友人や家族が旅行や帰省を楽しんでいる中、自分だけが通常通り出勤しなければならない状況は、精神的な負担となるでしょう。
このような環境で長く働き続けると、社会から取り残されたような感覚に陥り、モチベーションの低下につながることも少なくありません。
夏季休暇と年末年始休暇が存在しない
一般的な企業では、夏季休暇3〜5日、年末年始休暇5〜6日が設定されていますが、年間休日105日の会社ではこれらの特別休暇は基本的に存在しません。
もし夏季休暇や年末年始休暇を取りたい場合は、有給休暇を使うしかありません。しかし、有給休暇を長期休暇に充てると、体調不良や急用のときに使える有給が残らなくなってしまいます。
特に、実家が遠方にある方や、海外旅行を楽しみたい方にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
有給を使わないと連休が取れない
週休1日が基本の職場では、2連休を取るためにも有給休暇を使う必要があります。本来、有給休暇は労働者の権利として自由に使えるはずですが、連休を作るために消費せざるを得ない状況は健全とは言えません。
帰省のような「やむを得ない有給消化」が続くと、本当に休みたいときに有給が残っていないという事態に陥るでしょう。
家族や友人と予定が合わない
年間休日120日以上の会社で働く人が増えている中、105日しか休みがない環境では、周囲との予定調整が極めて困難になります。
友人との食事会や旅行、家族イベントなど、複数人で予定を合わせる場面で、自分だけが参加できないという状況が頻繁に発生するでしょう。
特に子育て世代にとっては、運動会や授業参観といった学校行事への参加が難しくなることは大きな痛手です。配偶者からの不満も高まりやすく、家庭内の雰囲気が悪化する原因にもなるでしょう。
年間休日105日の内訳と実際の休み方

年間休日105日と聞いても、実際にどのような休み方になるのかイメージしづらい方も多いでしょう。ここでは、具体的な休日の内訳と、実際の勤務パターンを詳しく解説します。
週休1日+月1回の週休2日で105日になる
年間休日105日の最も一般的なパターンは、「基本は週休1日、月に1回だけ週休2日」という形です。これを年間で計算すると、ちょうど105日前後になります。
| 休日の種類 | 日数 | 内訳 |
| 基本の週休(日曜) | 52日 | 毎週1日 |
| 追加の週休(土曜) | 12日 | 月1回 |
| 会社指定休日 | 41日 | お盆・正月含む |
| 合計 | 105日 | – |
このパターンで働く場合、月の大半は6日勤務・1日休みのサイクルを繰り返すことになります。体力的にも精神的にもかなりハードで、疲労が抜けないまま次の週を迎えることが常態化してしまうでしょう。
夏季休暇と年末年始は有給休暇を消化する
年間休日105日の会社では、夏季休暇や年末年始休暇といった特別休暇は設定されていません。そのため、お盆や正月に休みたい場合は、有給休暇を使うことになります。年間10日の有給休暇のうち、9日がこれらの休暇で消えてしまうのです。
さらに、繁忙期には有給取得を断られるケースも少なくなく、計画的な休暇取得が困難な職場環境であることも問題を深刻化させています。
祝日16日はすべて出勤日になる
日本には年間16日の国民の祝日がありますが、年間休日105日の会社では、これらはすべて通常の出勤日として扱われることが多いです。カレンダー通りに休める会社との差は、この祝日分だけで16日にもなります。
特に影響が大きいのは、ゴールデンウィークやシルバーウィークといった連休期間です。世間が長期休暇を楽しんでいる中、通常通りの勤務を続けなければなりません。
また、子どもがいる家庭では、学校の休みと親の休みが合わないため、家族で過ごす時間が極端に少なくなってしまうという深刻な問題も生じます。
年間休日105日を許容できる条件と、転職すべきサインは?

年間休日105日でも、条件次第では許容できる場合があります。ここでは、以下の判断基準を解説します。
- 残業時間が少なく、実労働時間が短いかどうか
- 有給休暇を自由に取得できる職場かどうか
- 給与・賞与が休日数の少なさを補っているか
- 業務内容が将来のキャリアにつながるか
- 心身に不調の兆しが出ていないか
ぜひ転職を考えるかどうかの参考にしてください。
残業時間が少なく、実労働時間が短いかどうか
年間休日105日でも、残業がほとんどなく定時で帰れる環境であれば、実質的な負担は軽減されます。重要なのは、年間の総労働時間で考えることです。
たとえば、年間休日120日でも毎日2時間残業がある会社と、年間休日105日で残業ゼロの会社を比較すると、後者の方が総労働時間は少なくなるケースもあります。
| 条件 | 年間休日120日 | 年間休日105日 |
| 労働日数 | 245日 | 260日 |
| 1日の労働時間 | 10時間(残業2時間) | 8時間(残業なし) |
| 年間総労働時間 | 2450時間 | 2080時間 |
このように、残業時間を含めた実労働時間で判断することが重要です。入社前に平均退社時刻を確認し、実態を把握することが大切です。社員の口コミサイトなどで、実際の労働環境をチェックすることをおすすめします。
有給休暇を自由に取得できる職場かどうか
年間休日が少なくても、有給休暇を自由に取得できる環境であれば、ある程度カバーできます。重要なのは、有給取得率と取得時の職場の雰囲気です。
厚生労働省の調査によると、日本の平均有給取得率は約65%です。有給が取りやすい職場かどうかは、以下のポイントで判断できます。
有給が取りやすい職場の特徴
- 有給取得率が70%以上
- 理由を詳しく聞かれない
- 上司が率先して有給を取っている
- 繁忙期でも代替要員が確保されている
面接時に「有給取得率はどのくらいですか」と質問し、具体的な数字を確認することが重要です。曖昧な回答しか返ってこない場合は、要注意と考えてよいでしょう。
給与・賞与が休日数の少なさを補っているか
年間休日が少ない分、給与が高ければ許容できるという考え方もあります。しかし、時給換算で考えると、年間休日105日の企業の方が割に合わない可能性があります。以下の表で、具体的に比較してみましょう。
| 項目 | A社(休日105日) | B社(休日120日) |
| 年収 | 400万円 | 380万円 |
| 年間労働時間 | 2080時間 | 1960時間 |
| 時給換算 | 1,923円 | 1,939円 |
このように、年収が少し高くても、労働時間が多い分、時給換算では逆転してしまうことがあるのです。給与だけでなく、賞与、退職金、福利厚生なども含めた総合的な待遇で判断する必要があります。
「休みは少ないけど給料がいいから」という理由だけで選ぶのは避けるべきでしょう。
業務内容が将来のキャリアにつながるか
年間休日105日でも、将来のキャリアアップに直結するスキルが身につく環境であれば、期間限定で働く価値があるかもしれません。特に、20代の若いうちは経験を積むことを優先する選択肢もあります。
ただし、明確な成長目標があり、それが達成可能な環境であることが大前提です。
キャリア形成の観点で許容できる条件
- 専門的なスキルが確実に身につく
- 3年以内に転職可能なレベルに到達できる
- 業界内で評価される実績が作れる
- 人脈形成のチャンスがある
しかし、「いつか役に立つかも」という曖昧な期待で、劣悪な労働環境を我慢するのは危険です。具体的な成長プランと期限を設定し、それが達成できない場合は速やかに転職を検討すべきです。
心身に不調の兆しが出ていないか
最も重要な判断基準は、自分の心身の健康状態です。年間休日105日で働き始めて、以下のような症状が出た場合は、即座に転職を検討すべきです。
身体的な不調としては、慢性的な疲労感、頭痛、胃痛、不眠などが挙げられます。精神的な不調としては、イライラ、無気力、集中力低下、趣味への興味喪失などがあります。
| 症状の種類 | 初期症状 | 危険信号 |
| 身体面 | 疲れが取れない | 起床困難、体重の急激な変化 |
| 精神面 | やる気が出ない | 希死念慮、パニック症状 |
| 行動面 | 遅刻が増える | 無断欠勤、アルコール依存 |
これらの症状は、放置すると深刻な病気に発展する可能性があります。我慢せず、早めの対処が必要です。
年間休日120日以上の会社を見つけるポイント

ここでは、年間休日120日以上の会社を見つけるポイントを解説します。
- 求人票で「完全週休2日制」「祝日休み」を確認する
- 面接で「有給取得率」「平均残業時間」を質問する
- 転職エージェントで内部情報を聞く
年間休日105日の環境から脱出し、ワークライフバランスの取れた会社に転職するためには、求人選びの段階から注意が必要です。
求人票で「完全週休2日制」「祝日休み」を確認する
求人票を見る際、最も重要なのは「完全週休2日制」という記載があるかどうかです。以下の表のように「週休2日制」と「完全週休2日制」は全く異なるので、注意が必要です。
| 表記 | 意味 | 年間休日の目安 |
| 週休2日制 | 月1回以上週2日休み | 60〜90日程度 |
| 完全週休2日制 | 毎週2日休み | 104日以上 |
| 完全週休2日制(土日) | 土日が確実に休み | 104日以上 |
| 完全週休2日制(土日祝) | 土日祝が休み | 120日以上 |
さらに「祝日休み」「年末年始休暇」「夏季休暇」などが明記されているかも確認しましょう。ただし、求人票の記載と実態が異なるケースもあるため、面接時に必ず確認することが大切です。
面接で「有給取得率」「平均残業時間」を質問する
面接は企業を見極める絶好の機会です。遠慮せずに、労働環境に関する具体的な質問をしましょう。特に「有給取得率」と「平均残業時間」は必ず確認すべきポイントです。
面接でストレートに聞くことで、より実態に近い情報が得られるでしょう。「残業は人それぞれ」といった曖昧な回答しか返ってこない場合は、長時間労働が常態化している可能性があります。
質問に対して、具体的な数字で答えられない、または不機嫌な態度を示す企業は避けた方が無難でしょう。
転職エージェントで内部情報を聞く
転職エージェントを活用することで、求人票や面接では分からない内部情報を入手できるでしょう。特に、実際の労働環境や社員の満足度といった生の情報は、エージェント経由でしか得られないケースもあります。
転職エージェントには「年間休日120日以上が必須条件」と明確に伝え、それに合致する求人のみを紹介してもらいましょう。
複数のエージェントを併用し、情報を比較検証することも重要です。一つのエージェントの情報を鵜呑みにせず、客観的に判断する姿勢が大切です。
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年間休日105日に関するよくある質問

年間休日105日について、転職活動中の方から寄せられる代表的な質問にお答えします。これらの疑問を解消し、適切な判断ができるようになりましょう。
Q1:年間休日105日以下だと労働基準法違反になりますか?
年間休日が105日を下回ったからといって、労働基準法違反になるわけではありません。
労働基準法が定めているのは、週40時間という労働時間の上限であり、これを年間で計算すると約2080時間になります。年間休日が104日以下の場合、通常の8時間労働では確実にこの上限を超えてしまいます。
つまり、年間休日105日は「法律ギリギリのライン」であり、これを下回ると違法性が高まるということです。もし現在の職場が105日未満の場合は、労働基準監督署への相談も検討しましょう。
Q2:年間休日105日でも夏季休暇や年末年始休暇は取れますか?
年間休日105日の会社では、夏季休暇や年末年始休暇は基本的に設定されていない可能性が高いでしょう。これらの休暇を取る場合は、有給休暇を使うか、会社の指定する休日に含まれているかのいずれかです。
もし、まとまった休暇を取りたい場合は、有給休暇を使うしかありません。体調不良などの緊急時に使う有給とのバランスを考える必要があります。
Q3:年間休日105日の会社は年収が高ければ割に合いますか?
年収が高くても、年間休日105日という環境が割に合うかどうかは、個人の価値観と年齢、家族構成によります。
時給換算すると、年収が少し高い程度では、労働時間の多さをカバーできないケースがほとんどです。
20代独身であれば、短期間なら許容できるかもしれません。しかし、30代以降、特に家族がいる場合は、年収よりもワークライフバランスを重視すべきでしょう。
Q4:年間休日105日で有給休暇10日は実際に取得できるものですか?
法律上、年次有給休暇は最低10日付与され、そのうち5日は取得が義務化されています。しかし、人手不足が常態化している職場では、「有給を取ると他の人に迷惑がかかる」という雰囲気もあるようです。
労働基準法の改正により、年5日の有給取得は義務となりましたが、それ以上の取得は職場環境に大きく左右されます。
Q5:年間休日105日は世間的に見て普通なのでしょうか?
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、日本企業の平均年間休日数は110.7日です。つまり、年間休日105日は平均を10日以上下回る「少ない」部類に入ります。
年間休日105日は、決して「普通」ではなく、労働環境としては厳しい部類に入ります。特に、若い世代ほどワークライフバランスを重視する傾向があり、105日では人材確保が困難になりつつあります。
まとめ:年間休日105日は他の条件と共に慎重に判断しよう
年間休日105日は、労働基準法上の最低ラインです。違法ではありませんが、他の条件を見て慎重に判断する必要があります。
月に8〜9日しか休めない環境は、心身の健康を損なうリスクが高く、プライベートの充実も困難になるでしょう。
転職を考える際は、年間休日数だけでなく、労働時間、有給取得率、給与、将来性など、総合的に判断することが大切です。そして何より、自分の心身の健康を最優先に考え、無理のない選択をすることをおすすめします。


キャリアアドバイザー、リクルーティングアドバイザー、社内人事などを経て、現在は転職メディア「転テン」の運営を担当。転職に悩む方の力になるべく、リアルな現場経験を活かしたノウハウを発信中。あなたの「キャリアづくり」を応援します。
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